米国債と株式投資(特に米国株)の組み合わせは最強
updated [2016.4.26] [2016.5.25] [2016.7.18] [2016.8.8] [2016.8.11] [2017.3.5]


↑これらの図の解説は下の方にあります
「アセットアロケーションの方法」を巷 (ちまた) で指南する本やブログ記事を見ていると、必ずや出てくる話題が、『幅広い資産』への『分散投資』というワードですよね。
たくさんの資産へ、分散することにより、ある資産の評価額が下がってしまったとしても、別の資産がそれを補う、という考え方です。
では、できるだけとにかくたくさんの銘柄・資産に分散すればこと足りるのでしょうか?
実は、ただ、やみくもに分散していい、というものでもありません。ここでは詳しくは触れませんが、資産ごとの相関係数、というものを考える必要があり、要諦を捕らえることが大事です。
一般的には、株と債券は「逆相関にある」と考えられています。逆相関の関係にあれば (相関係数がマイナスの値)、片方が下がったとき、片方が上がります。
なので、値動きが打ち消しあって、資産全体ではマイルドな値動きとなり、リスクが相対的に下がることによってリスクリターン比を上げることがポートフォリオの構成を考えるときにクリティカルに重要な考え方です。このとき、ポートフォリオ全体での運用で「世界全体の成長を取り込む」といった考え方により運用するという考え方が、インデックス投資等で重要性を強調されています。
ここで、資産運用の入門書を見ると、よく、株式も、債券も、どちらも「投資信託 (ファンド)」を利用してそういった世界分散投資を目指す、といったやり方が紹介されています。
しかし!債券のファンドでも、株式のファンドとの相関係数がマイナスでなく、逆に、相関係数がプラスで、株が下がるときに、一緒につられて下がってしまう債券ファンドもざらにあります。
日本人の大好きな、「ハイイールド債 (ジャンク債)」だの、「新興国債」だの、たくさんあります。
これらへの分散投資も、ある意味「分散」ではあるのですが、相関関係が高い (正の相関で、しかも値が1に近い) 場合、分散の意味があまりなくなってしまうこともザラです。
資産運用の代表格である、株式。これと相性の良い債券とは、あえて言うと、「債券市場全体のインデックスファンド」ではありません。過去のデータから、はっきりと日本株や米国株とマイナスの相関係数が実証されている債券、それは、 わ
ずばり米国債と日本国債です。
債券、とりわけ先進国の国債のように格付けが高く、クレジットリスクの (ほぼ) ない債券は、それぞれの国内でいわゆる「リスクフリー」資産です (ノーリスクで金利がもらえる資産ということ)。
株式が急に売り込まれるような状況になる (リスクオフ) と、株式に流れていた資金が引き上げられ、「リスクフリー」である国債に流れ込みます。
特に米国で、「フライ・トゥ・クオリティー」と呼ばれる現象です。
国債がたくさん買われると、国債の価格は上がります (金利は下がります)。
[112] 米国債は最強の安全資産。その戦略は [2016.3.17]
このように、株式と国債の値動きがダイレクトに負の相関を示しています。
このような性格を有している資産: 米国債が、世界で最も質が高く、安全な資産であるのなら、当然、自分の資産も、その「安全な資産」に置いておきたい、と思うべきですよね。
なので、当然のごとく、世界に分散して投資したい、と思った場合、そのもっとも「安全な資産」を一部、直接保有しておく、という選択肢を持っておかないといけません。
米国債をさらに深く理解するためには、林敬一氏のブログが非常に役に立ちますので是非一読を。
[150] 林敬一氏のブログに学んで挙げられる米国債の3つの買い方 [2016.7.10]
ここで、債券のファンドは、「米国債」もそのファンド内に含んでいるものも多いですが、いろんな格付けの低い債券が混じっていますので、いざ「リスクオフ」になった場合、値動きが違う方向に行ったりしますとそれが足を引っ張って、ファンド全体の基準価格の動きは読めません。不明瞭です。
ファンドよりも、米国債そのものを保有している方が、値動きがすっきりしています。
しかも、債券がごっちゃになっているファンド全体の格付け/安全性よりも、純粋な米国債の方が、実は安全性は高いと言えるでしょう。(米国債のみからなるファンドは、もちろん存在します。)
そういうわけで、米国債を他のリスク資産と合わせて保有するメリットが、
①純粋な逆相関になり、
②リスク分散上非常に有益である、
という点にあることがお分かりいただけるでしょうか。
さらに、世界でも有力な投資先である、米国株と組み合わせれば、 (為替リスクはとらないといけませんが) 最強の投資になりえます。
ここで、本来的な債券の基本に立ち返りましょう。
債券が発行されて償還されるまで、一定期間ごとにクーポン (金利) が発生します。それを複利で運用していけば、償還時には、必ず「プラス」になる運用結果となります。ただし、ここには「インフレ」は考慮されていません。
さて、ここで、下の図を見ましょう。

債券投資では、償還時には元本がまるまる戻ってきます。
(ただし、債券のファンドの場合は、途中で売買されたりするので、元本が保証されないことに注意しましょう。それは、米国債券ファンドといえど、下がることがある、ということです。この相違点は、非常に重要と思われます。)
それに対し、株式投資では、元本が保証されることはありません。
このリスクを負って、「リスクフリー」である国債を上回るリターンを期待します。
なので、本来的には国債を下回るリターンでは投資価値がありません。
しかし、どうなるかが予測がつかないのが株式投資です。
さあ、ここで下の図の出番です。

国債投資と、株式投資を組み合わせています。すると、あら不思議。
上図の E と I が同じ額であるならば、トータルの投資元本は保証されることになります。どうでしょうか!
この考え方は、いわゆる「元本保証型ファンド」などの考え方なんだそうです。
では、これを個人でやらない手はどこにもありません!(債券のファンドを使うのであれば、できない芸当です。)
この戦略が取れるのなら、なんと心穏やかに夜寝ることができるでしょうか!!
もちろん、「インフレ」を考慮したりするのであれば、 E の額を I の額よりも小さく設定すれば、最悪の場合でも、プラスの投資結果が見込まれます。
いきなり最初から株式投資に臨むのであれば、この戦略がある、ということを頭の片隅に置いておいてください。
ここで、米国債であれば、「ゼロクーポン債」という、日本にはない強力なツールがあります。この投資戦略に非常にマッチしますので、国債の金利がまた上がってきた日には、ぜひぜひ取るべき戦略かと思います。
こちらの記事もオススメです。
[29] 債券は大事です。それは何故か。 [2015.10.5]
[112] 米国債は最強の安全資産。フライト・トゥ・クオリティーと米国債投資戦略 [2016.3.17]
[48] 林敬一著「証券会社が売りたがらない米国債を買え!」を買え![2015.12.21]
[150] 林敬一氏のブログに学んで挙げられる米国債の3つの買い方 [2016.7.10]
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