[102] アベノミクスでお金が「あり余る」???[2016.2.24]
経済や投資に興味のあるみなさん、
①「マネタリーベース」
②「マネーサプライ」
どちらか片方が出てきたときに、区別がつくでしょうか?
これら2つの用語があることに、
管理人は実は、お恥ずかしいことに
明確に気づいていませんでした。
かなり紛らわしいですよね。
しかし、これは、現在の日本経済の現状を知るためには
非常に重要な概念です。
①マネタリーベース (ベースマネーとも) とは、
市場に流通している現金(流通現金)と日銀当座預金の合計
をいいます。
日本の通貨の番人である日銀の立場から見た、
資金供給量と言えます。
②マネーサプライ (マネーストック) とは、
民間部門のうち「非」金融部門 (要するに、民間企業や個人)
が有する通貨の総量のこと。
すなわち、「銀行などの金融機関を除く」通貨の総量のこと。
民間企業や個人によって保有されている現金通貨と、
市中金融機関にある要求払預金
(普通預金、当座預金、通知預金など)
の合計量のことを言うのだそうです。
まとめますと、
②マネーサプライ
基本: 「金融機関以外の」現金+預貯金
M1=現金通貨+要求払預金
M2+CD=M1+定期性預金+CD
M3=M2+CD+貯金その他
ここで、
要求払預金=当座預金+普通預金+通知預金など
CD: 譲渡性預金
貯金その他=郵便貯金+農協・漁協貯金
+信用組合・労働金庫の預金
+金銭信託・貸付信託の元本
現在日本では、このM3をマネーサプライとして
通常使用するようになったようです。
しかし、
M1だろうがM2+CDだろうがM3だろうが、
そんなことよりも
重要なのは、
次の等式です。
=②マネーサプライ+金融機関の有する資金供給量
アベノミクス始動後、
黒田日銀が、
量的・質的緩和 (QQE) をやるぞ!といって、
超金利緩和政策とともに続けてきていますが、
資金はジャブジャブに市場に溢れていないといけないですよね。
しかし、日銀の供給量がどんどん増えて、
マネタリーベースが増え続けていますが、
金融機関の預金が
「日銀の当座預金としてブタ積みになっている」状況です。
しかし、
マネタリーベース=マネーサプライ+金融機関の有する現預金
ですが、
この左辺が増えていても、
そのほとんどは、右辺の第二項が増えているのみで、
右辺第一項であるマネーサプライは
ほとんど増えていない!
という状況なのです。
この単純な数式で、
実質のマネーサプライが増えない
=市場 (資産市場) にお金が回っていない!!
ということが、中学生でもわかると思います。
これでは、インフレに誘導したくても、
なかなかならなさそうですよね。
金融機関の資金が、
貸出などの「投資」で資産市場に回らないと、
まったく意味がありません。
それどころか、
金融機関のお金があり余り、
国債市場でどんどん債券が買われる
→金利が低くなる
という現象が起こり、
ついに、
政策金利に引き続き、「長期金利」についても
マイナス金利が発生してしまいました。
日本経済は、まだまだ深刻な状況です。
新三本の矢??
抜本的な構造改革をして、
マネーサプライを増やしてくれ!
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