2015年初頭、たどり着いた私の基本運用方針②
①運用目的
老後資金/遺産のための、長期運用を行う。
短期決済用資金は銀行預金、中期資金は原則、定期預金と保険で確保し、残りの余裕資金を充てる。
世界各国のGDP比に着目すると2015年現在米国が一位であるが、米国を中心とした経済の成長とグローバル化の波に乗ることが長期的には極めて重要である。
この目的の達成のため、中長期での経済の見通しを見る目を常に養いつつ、成長見通しの明るい国を中心に投資を行う。
世界各国の景気は循環し、市場のボラティリティ―(価格変動)はなくならないが、長期的には世界の経済は成長し続けていることを忘れない。
主に米ドル(USD)建てで運用する。
株式・米国長期債いずれも、そのリターンにより為替リスクは過去、相殺されてきたため、ドル円レートは忘れてもよい。
むしろ、円資産・日本リスクを考えたリスクヘッジとして米ドル保有は有効な手段である。
ただし、円評価は行う。
日本については、2000年~2014年末までの状況により、成長見通しは危うくリスクが高いと考えており、年金による運用も行われているため、ウェイトは極力低くする(GDP比よりも低くする)。
もし仮に中国等がGDP世界1位になったとしても、政治的基盤等のリスクが高い国については避け、投資方針は変更しないのが懸命であろう。
②リスク許容度
長期運用目的であるため、リスク許容度は相対的に高い。
潜在的成長率は株式が過去一番高く、この意味で、株式へ高い割合を保ってもよく、常に世界株式のアロケーションは50%以上、できれば80%以上でよいと考える。
絶対的なリスク許容度としては、これまでのドル建てあるいは円建て実現益分はすべて株式に割り当ててよい。
実質的には、最大の値下がりリスクとしては世界大恐慌時代の1930年代に米国株が約1/10に減価したことを踏まえ、実現益÷90%=実現益×111%分は株に投資してもよく、損切りも基本的に行わず配当再投資・新規購入していけばよい。
③ポートフォリオの構成
上記リスク許容度とコスト意識をもとに、ポートフォリオを策定する。
各時点での米国債10年/30年金利を基準(リスクフリー利率)に、株式や低格付け債券のリスクプレミアムを踏まえて株式/REIT/債券の比率を考える。
資産配分比率(アセットアロケーション)は、世界株式へ50%~90%、債券へ0~30%、短期運用資金(MMFや短期国債)へ10%~50%、コモディティへ0%~10%の範囲を目安にしている。
REITは株式に含めて考える。
この比率は、世界経済の状況を踏まえた上で流動性を持たせ、場合によっては大きく変更する可能性がある。
考え方の例
(投資総額-実現益分) ⇒ 選択肢例(1) 株式50%、債券+短期運用資金50%
選択肢例(2) 債券100%
(実現益分) ⇒ 株式100%
株式ポートフォリオ: 基本的に、損切を行わなくてもよいインデックス、あるいは個別銘柄を選択する。
株式の過去100年間の収益は、世界的企業(大型株)では、配当再投資による収益が大部分とされている。
このことを鑑み、大型株でかつ割安な時期に投資することを基本とする。
世界の時価平均を鑑み、2014年現在では米国株へ50%以上を割き、ほとんどを先進国株とすることが懸命と考える。
ただし日本についてはREITを含め10%以下を基本とする。
配当成長株を主眼として、配当・金利収入を主軸とした運用を基本とする。
頻繁な売買はできるだけ避け、コストを意識した運用を心がける。
株式運用の部分については、超長期で年率10%成長を狙えるため、必ずしも正確なリアロケーションは必要ない。
長期運用目的でリスク許容度が非常に高いことから、株式へのエクスポージャーの絶対値は年々高くなっても構わない(相対的には少なくしてもよい)。ほったらかしでも構わない。
REITには、日本を含め運用総額の30%までを充てることが可能と考える。
新興国は10%程度まで充ててもよいと考える。
債券ポートフォリオ: 先進国債券を中心とする。
米国財務省債券の長期債(10年~30年)への直接投資が、世界のflight to qualityによる金利に対する動きに敏感であり、株式との負の相関が観察されている。
それに対し、世界債券インデックスは、一時的は株式と正の相関が観察されている。
よって、米国の優位性が揺らがない限り、米国財務省債券の長期債(10年~30年)への直接投資が有利と考える。
日本の債券については、2014年現在金利上昇リスクが高いと考え、ポートフォリオ内には含めない(日本リスクを年金等で負っているため、追加のリスクはとらない)。
ただし、債券クラスには、新興国債券を含め、これまでの実現益の範囲内で資金を割いてもよいと考える。
インフレを考えると債券は実質リターンが低いことに留意し、アロケーションを決定する。
コモディティポートフォリオ: コモディティは金利を生まないため、アロケーションには含めても5%程度、推奨0%、最大10%とする。
④アクティブ/パッシブ比率
必ずしも、パッシブ運用を中心でなく、ポートフォリオの基準価格は市場平均を必ずしも上回らなくてもよいと考える。
アセット全体がたとえ減価したとしても、再投資による配当・金利分は長期で成長する。
この部分は絶対的な収益がある(実現益)と考え、単年度での配当と増配分を含む総インカムゲイン絶対値の増加、Yield on Costsの増加を主眼に置く。
アクティブ運用: 個別株については、大きなリアロケーションが必要とならない限り、buy and holdを貫く。
これは事実上のアクティブ運用となるが、優良大型長期増配株を狙うことにより、一時的にはパフォーマンスが悪くても長期で配当が増えることが予想され、たとえ元本が半値以下になったとしても、超長期(数十年)で運用することにより、buy and holdを貫き(売らない)、配当再投資を行えば、アクティブ運用であっても米国10年債を凌ぐ収益率が期待できると考える。
S&P貴族指数や連続増配株関連の指数に連動を目指すETFも、このアクティブ運用に含める。
パッシブ運用: MSCIインデックス、S&P500インデックス、Dow Jonesが候補に挙げられる。
⑤個別株/ファンドの選択
アクティブ運用については、長期的に見て企業利益の高成長が期待できるよい株をできるだけ安く買う。
株価収益率(PER)等によるバリュエーション(価値評価)を行い、1株利益と1株配当の持続的な成長が期待できるエクセレントカンパニーに注目する。
例えば、先進国個別株、特に優良大型株の長期増配株、連続増配株関連ETF (例:VIG、SDY) 、あるいはバークシャーハサウェイ株(BRK-B)に投資する。
パッシブ運用については、経費のできるだけ少ないETF (例:VT、VTI、VOO、SPY) やファンド(例:世界経済インデックスファンド)を活用する。
⑥売買実行
ポートフォリオの監視は常時行い、割安な時期に買付を行う事を心がける。
現物株をできるだけ安く買う、いわゆる逆張りである。
信用取引は、原則行わない。
この方針は、Warren Buffetと同様である。
エントリーポイントには移動平均線、MACD、RSI等のテクニカル指標を参考にする。
株式市場のボラティリティはなくならないが、長期で上昇を確信する銘柄のみを買うため、過度に一喜一憂しない。
株式市場の急落はむしろ逆手に取るチャンスである。
リスクを織り込んでいるので、損切りも基本的に行わず、配当再投資・新規購入していけばよい。
5年分の総インカムゲインを超えるキャピタルゲインのある資産については、利益確定を考えてもよいが、再投資リスクに注意する。
buy and hold方針を貫く方が懸命かもしれない。
2倍を超えるキャピタルゲインのある資産については、一部利益確定し分散させることを奨める。
⑦将来の展望
長期では、利益・配当・株価はすべて同率で成長すると期待できる。
(1.09)^10 = 2.36
(1.09)^20 = 5.60
(1.09)^30 = 13.26
(1.09)^40 = 31.40
(1.09)^50 = 74.35
⑧情報収集
常に、経済その他の勉強、現時点での世界情勢の情報収集を行う。
過去をもとに分析する。
- 関連記事
-
-
[33] 投資と投機の違いを頭に叩き込もう① [2015.11.5] 2015/11/05
-
[26] 終価係数は自分で計算できますか?では、年金終価係数、年金原価係数は? [2015.9.30] 2015/09/30
-
投資方針 (簡約版) 2015/09/30
-
[24] 基本運用方針-改訂第2版-2015年9月30日 2015/09/30
-
2015年初頭、たどり着いた私の基本運用方針② 2015/03/03
-
2015年初頭、たどり着いた私の基本運用方針① 2015/03/03
-
アセットアロケーションを考える、それは永遠の課題 2015/03/03
-
現金や銀行預金は、決済性資金としての投資の一種 2015/03/03
-
投資に年齢は関係ない。ただし、目標期間と資金必要時期により方針が異なる 2015/03/03
-
このエントリーにお寄せ頂いたコメント
このエントリーにお寄せ頂いたトラックバック
このエントリーにトラックバックする(FC2ブログユーザー)