バリュー投資家とインデックス投資家、2つの理論株価の求め方
updated [2016.11.3]
今までに、理論株価の求め方を複数書いてきました。
求め方に複数ある理由は、その拠り所とするところがそれぞれ異なる考えから生まれてきたものだからです。
という考え方は、モダンポートフォリオ理論 (MPT)からきている考え方です。これは、新古典派経済学に立脚した資本市場均衡モデルから導き出された理論で、「配当」 (=キャッシュフロー) という確実な現金に焦点を置き、ここに価値があるとみなし、このキャッシュフローを推定することで株価を理論的に説明するものです。
ここで、MPTでは「市場は常に正しく、効率的」で、株価はおおむね、「バリュー (およびその見通し) を正しく反映している」と考えますので、タイミングを狙ったアクティブな投資法は、「敗者のゲーム」として扱われます。
割安であったとしたら買われ、割高であったとしたら売られ、効率的に株価が決まっていくと考えられます。
また、ここでは株価変動パターンに対する認識は、バラバラで、「ランダムウォーク」であり、リターンは正規分布に従うと考えます。市場平均と比べた、「相対リターン」を重視する投資法となります。
さらに、この理論からは、インデックス投資の思考法に結びつきます。
この理論から、幅広い投資対象への分散投資・アセットミックス、アセットアロケーション戦術が重要になってきます。
一方、
から導かれるという考え方は、ウォーレンバフェットなどのバリュー株投資家による考え方です。
バリューの根源はROEや毎年のEPSにあるとし、市場は必ずしも効率的でない、と考えます。市場は慢性的に間違っており、「ミスター・マーケット」という気分屋によって、時に、超優良な銘柄ですら「大バーゲンセール」状態になります。そして、修正されず、このまま放置されることもしばしばあります。

バリュー投資家は、こういうバリューからの乖離を見つけてきて、ここぞという時に投資します。そして、短期の変動は単なるノイズとして考え、「絶対リターン」を重視します。
また、株価はEPSの成長トレンドに沿って上昇すると仮定します。
この絶対リターンは、リスクフリーレート+αを目指しますので、確定利付き債券 (fixed income) としての性格を併せ持つような投資対象を選択して運用することになります。
結果、割安優良銘柄が中心のポートフォリオを目指します。
連続増配株投資家、アメリカ人”Dividend Growth investor”はこの考えを根底としていることが多いように思います。
quasi-fixed income (笑)と言っているアメリカ人もいますね。
私は、両方の考え方を踏襲しようと思っていますが、①②どちらですか?という質問に答えるならば、②を軸に持っている、と言うと思います。
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