[124] 基本運用方針-改訂第3版-[2016.5.10]
基本運用方針-改訂第2版-2015年9月30日はこちら
基本運用方針-改訂第3版-
前回からの、真に変更した部分や追加点に下線を引いています
①運用目的と理念
20年以上の長期運用を柱とする。
年間税引後インカム300万円 (インフレ調整、投資開始2012年基準) を目指す。
この目的を達成しない限り、短期的にやめてしまわない。
インフレヘッジも目的のひとつである。
この目的の達成のため、中長期での経済の見通しを見る目を常に養いつつ、成長見通しの明るい国を中心に投資を行う。
世界各国の景気は循環し、市場のボラティリティティー (価格変動) はなくならないが、長期的には世界の経済は成長し続けていくと仮定する。
②リスク資産の定義
リスク資産の定義:
株全般、
無リスク資産以外の通貨と債券、
REIT、不動産、その他オルタナティブ
無リスク資産の定義:
米ドル (USD)、日本円 (JPY)、
米国債、金 (Gold)
一般には、日本円以外の外貨は、リスク資産と定義されることが多いが、ここでは、上記定義とする。
この視点に立ち、資産の大半を米ドルで保有していたとしても、過剰な為替リスクとは考えない。米ドルと日本円以外は為替リスクが高いと考える。
株式・長期米国債いずれも、そのリターンにより為替リスクは過去、相殺されてきたため、ドル円レートは忘れてもよいという視点に立つ。
円資産・日本リスクを考えたリスクヘッジとしての米ドル保有という観点も含んでいる。
日本国債は、日本の財政状況を鑑み、暫定的にリスク資産から外している。
すべての資産は、その時点や過去の時点での米国債長期債 (10年) の金利、日本国長期債 (10年) の金利と比較したうえで投資判断を行う。
③リスク許容度
キャピタルロスのリスク許容度としては、リスク資産のうちインカムが長期的に大きく毀損されない(安定的で、かつ、インフレに打ち勝つ)と確信する資産の場合を前提に、世界大恐慌時代の1930年代に米国株が約1/10に減価したことを踏まえ、リスク資産部分の90%の減価を想定し、許容する (事実上、売却しない)。
リスク性債券に投資する場合、そのキャピタルロスを許容した上で投資する。
このため、長期運用を前提とする。
本来得られるべきインカムロスが起こるリスクについては、適宜、最低でも四半期毎にウォッチし、その疑義が生じる場合、資産の組み替えを検討する。
④ポートフォリオの構成
生活防衛資金を、生活費1年分以上とする。
生活防衛資金、保険の解約返戻金分、実物不動産、不動産運営資金を除外した部分をここでいうポートフォリオ資産と定義する。
ポートフォリオ資産は、米ドルと日本円の2通貨を主軸として保有し、主に米ドル (USD) 建て資産により運用する。
上記リスク許容度と、コスト意識をもとに、アロケーションを策定する。
ポートフォリオ資産の配分比率(アセットアロケーション)
2012年末 株式0%、REIT10%、債券90%
2013年末 株式0%、REIT12%、債券88%
2014年末 株式
2015年末 株式69%、REIT2%、債券28%
2016年3月末 株式69%、REIT 2%、債券29%
ターゲット比率 株式+REIT 75%、債券25%
ここ、および以降では、債券アロケーションには、便宜的にキャッシュポジション (待機資金) も含む。
コモディティ以外のアセットクラスは、基本的にインカムゲイン狙いを主体とする。
現段階で、総インカムゲイン絶対値の増加、Yield on Costsの増加を念頭に置く。
市場のボラティリティ―がなくなることはないが、インカムという実現益は絶対的なものであると考える。
アセット全体が減価したとしても、継続的あるいは成長する収益が得られる資産に分散投資し、当面は実現益を再投資に回し、インカムを雪だるま式に増加させるポートフォリオとする。
⑤アクティブ/パッシブ比率
必ずしも、パッシブ運用中心でなく、ポートフォリオの基準価格は市場平均を必ずしも上回らなくてもよいと考える。
アクティブリスクを取るに値する資産、比較的確実に利益を上げられる資産を優先候補とする。
パッシブ (インデックス) 運用は市場全体のうねりを取る目的であり、状況に合わせてミックスする。
以上より、アクティブ/パッシブ比率は、100%~50%/50%~0%を目安にする。
⑥個別銘柄/ファンドの選択
低コストを意識した運用を心がける。
株式ポートフォリオ:
頻繁な売買はできるだけ避け、長期保有に適する株を選別する。
配当成長株を主眼として、配当再投資による運用を基本とする。
このためには、バリュー株投資が有利な複利効果が得られると考え、各年度での配当について、増配、配当再投資による増加、追加投資による配当、これらを含んだインカムゲインの増加を目指す。
アクティブ運用: 大まかに、バリュー株投資に合致する。
A. 普通株
1) 長期的に見て1株利益と1株配当の持続的な成長が期待できる株、株主還元策に積極的な企業等
先進国株、特に米国・英国の大型株
長期連続増配個別株、dividend aristocrats/champions/contenders、
連続増配株関連ETF (例:VIG、SDY)、
高配当戦略のETF、
バリュー株ETF/ファンド、バークシャーハサウェイ株 (BRK-B)
2) 上記以外でも企業利益の高成長が期待できる企業の株、
3) セクター別ETF/ファンド
4) 世界の地域別ETF/ファンドや、新興国株ETF/ファンド
B. 優先株ETFも、投資対象に入る。
これらをウォッチし、ROE、ROA、PER、配当率、配当性向、増配率、増配年数を含め評価する。
その時々でリスクフリー金利と比較する。
常に、リスク分散を目的に、企業の分散、diversificationを図る。
国別選定には、世界各国のGDP比、各国の経済・金融・財政事情と地政学リスクに着目する。
2016年段階で、大部分を先進国株とし、米国株へ50%以上を割き、日本は10%以内、新興国は10%以内とする。
アクティブ運用の各資産は当初は等金額分散を基本としていたが、個別株式銘柄はポートフォリオ資産のそれぞれ5%以内と変更した。
パッシブ運用: MSCIインデックス、S&P500インデックス、Dow Jones、小型株インデックス、
世界の各地域ごと等の指数に連動するETFあるいはファンドなど、
経費のできるだけ少ないもの (例:VT、VTI、VOO、SPY、世界経済インデックスファンド) を活用する。
REITポートフォリオ:
REITには、日本を含め運用総額の25%までを充てることが可能と考える。
債券ポートフォリオ: 先進国債券を中心とする。
債券では、安定的な金利をfixed incomeとして期待し、さらに、株式の緩衝材としての役割を期待する。
インフレを考えると債券は実質リターンが低いことにも留意する。
米国債、特に、長期債(10年~30年)への直接投資が、世界のflight to qualityによる金利に対する動きに敏感であり、株式との負の相関が観察されている。
それに対し、世界債券インデックスは、必ずしも単純な負の相関となっていない場合もある。
よって、米国の優位性が揺らがない限り、米国財務省債券の長期債 (10年~30年) への直接投資が有利と考える。
特に、ゼロクーポン債を対象とするが、債券ETFも投資対象として排除しない。
金利動向、イールドカーブを鑑みながら、ラダー型ポートフォリオ、ダンベル型ポートフォリオ等検討するが、
日本の債券については、2016年現在イールドが非常に低いため、現預金等で代替する。
リスク性債券クラスには、新興国債券を含め、これまでの実現益の範囲内で資金を割いてもよい。
コモディティポートフォリオ:
コモディティは金利を生まないため、アロケーションには含めても5%程度、最大10%とする。
非稼働性の資産であることに留意するが、組み入れてよい。
ポートフォリオ全体でのYield on Costsの増加と、収益率の逓増を狙う。
⑦売買実行
信用取引は原則行わない。
全体の暴落時等、インデックスファンドの売りやインバース型ファンド買いを利用した
一部つなぎ売り戦略を利用することも検討してもよい。
ただし、そのタイミングを図ることは至難である可能性が高いし、
あまり意識するとスイングトレード方針となりうることに注意する。
売買ともに、株式市場のアノマリーはあまり気にしない。
買付け:
損切りは基本的に行わないことを前提とし、割安な時期に買付を行う事を心がける。
エントリーポイントにはテクニカル指標も参考にするが、あまり囚われない。
保有中:
株式市場のボラティリティはなくならないが、長期でキャッシュフローを得られる銘柄を保有するため、
評価額の変化に過度に一喜一憂しない。
株価の上昇時、下落時とも、その変化の理由をよく確認する。
売却:
短期的な売却は原則目指さない。
機械的な利食いライン、損切りラインとも、設定しない。
不必要なマイナスリターンを実現させない。
業績が基本的に大きく変わっていないのに株価が下落する場合、
基本的に割安で、より"margin of safety"が発生しているはずであり、
株式市場の急落はむしろ追加投資のチャンスである。
また、不必要なキャピタルゲインを実現させない (運用のパフォーマンス、税金による影響、再投資リスクを考慮せざるを得ない)。
税抜後5~10年分の総インカムゲインを超えるキャピタルゲインのある資産については、
PER等を参考にしつつ、割高であることを確認した場合利益確定を考えてもよいが、
一部は保有し続けることも検討する (買値との関係を意識することに他ならない: 恩株の考え方の取り入れ)。
売却を考慮してもよい状況:
A. リバランス・リアロケーション目的での売却。
B. 純利益やフリーキャッシュフロー等が原因で企業の配当政策や、企業の存続に疑義が生じるような場合。
この場合、売却、銘柄入れ替え等を検討する。
C. 個別株式銘柄はポートフォリオ資産のそれぞれ5%以内となるように規定したが、非常に割高になる等、
この5%から大きく逸脱する場合。ただし、場合によってはbuy and hold方針を貫く方が懸命かもしれない。
D. 不測の事態で資金が必要となった場合。ただし、通常は売却の必要がないよう、防衛資金を準備している。
⑧ポートフォリオ監視、リバランス、リアロケーション、再投資、新規資金と追加投資
ポートフォリオの監視は適宜行う。
四半期/1カ月ごと等、定期的な全資産の洗い出しと円評価、ドル評価を行う。
ポートフォリオ全体でのリターンを重視し、個別銘柄ごとには過度に気にしない。
トータルリターンの他、実現損益 (配当、金利、キャピタルゲイン) の累計を計算し、損益率も評価する。
また、ポートフォリオ資産以外での臨時的な収入・利益は、別に計上する。
リバランス頻度: 四半期ごと(厳密ではない)
アロケーションターゲット比率: 株式+REIT75%、債券25%
このターゲット比率は、相場の転換点によっては大きく変更してよい (タクティカルアセットアロケーション)。
世界的なリーマンショック級の暴落時には、株式・REITあわせて100% (フルインベスト) も許容する。
逆に、市場加熱期 (S&P500の平均PERを参考とする) には
株式+REIT50%、債券50%程度にすることも検討する。
年齢とともに米国債等の債券比率を増やすことも一考の価値はあるが、
株式投資、REIT投資も配当志向であるため、
基本的には市場の波にあわせたリアロケーションのみとする。
リバランス、リアロケーションによる売却時には、実際上は税金の影響も考慮する必要もあるが、
買値にこだわることは本来的にはよくないことに留意する。
各段階での割高/割安判断を大まかに行う。
各個別株については、リバランスが難しい点もあり、このため、大きなリアロケーションが必要とならない限り、
新規買い付け・再投資を中心としたリバランスを原則とし、インデックスファンドの使用も考慮する。
再投資: 運用目的の達成までは、原則、前期までのインカム/キャピタルゲインは全額再投資する。
新規資金: 毎月等、定期的に新規投資資金を拠出する。
ドル円の推移に一喜一憂せず、拠出分を随時ドル転し、ドルコスト平均により買い付け単価を平準化させる。
ドル/円保有比率については、特に規定を設けないが、
生活防衛資金は基本的に円で保有することを前提とするため、投資分は米ドルが大半でもよい。
新規資金を含めた総資金からアロケーションターゲット比率をもとに、新規投資資産クラスを決定する。
⑨将来の展望
長期では、利益・配当・株価はすべて同率で成長すると期待できる。
株価を追うのではなく、企業利益を精査するのが最も理に適っていると考える。
⑩情報収集
常に、経済その他の勉強を続け、過去および現時点での世界情勢の情報収集を行う。
自分で分析することを常とする。
他人の分析を見る場合、少なくとも3人以上の見解を調査することが望ましい。
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