損切りはしないといけないのか?損切りをしなくていい投資法
updated [2016.6.2] [2016.7.12] [2017.4.10]
●「損切り」を推奨する投資手法は、テクニカル投資法である。チャート分析により、タイミングが必ず当たることはありえない。
●利食いは、再投資リスクと、税金による非効率性に注意しよう。
●特に初心者なら、「損切りしないといけないような銘柄は、買うな。」
●バリュー株長期投資では、「損切り」をする機会は、めったにないと考えよう。
●バリュー株投資なら、値下がりしたときは、損切りではなく、追加投資のチャンスである。

投資の格言には、いろいろあります。
「見切り千両
損切り万両」 など。
「損切りラインを必ず設けよ」、「損切りをなぜ、さっさとしないのか」という人もいます。
では、ある株を買い込んでいる場合、「含み損を耐えてはいけない」のでしょうか? 逆に、「含み益を耐えてはいけない」のでしょうか?
どんなに優良な企業の株であれ、値上がりする場合もあれば、売り込まれて値下がりする場合もあります。
「損切しろ」などと言うならば、世界中の機関投資家は、しょっちゅう、損切りしなければなりません。
「損切り」を積極的に推奨する人は、きっと、テクニカルにのみに生きる人なのでしょう。
もちろん、損切りが必要なときもあります。「いい損切り」と「悪い損切り」が存在するのは否めません。
ここで、バランスシートが非常に強固で、将来的にもずっと利益を出し続けるであろうある優良な企業の株を買ったとしましょう。
①購入してからある一定期間経ったのち、株価が10%上がっていた場合、あなたは売りますか?
その売る理由は?
「安く買って高く売る」をモットーにしている人ならば、売って利確することはひとつの正解かもしれません。
しかし、ずっと持ち続けて配当を得つづけたい人ならば、ここで利食いをしてしまうと、確かにこの銘柄では利益を得ますが、それに見合った税金を払わないといけません。
さらに、その税金を引かれた後の利益分を含んだ資金で、次の投資先を探す場合、この売ってしまった企業の株よりも、もっと安全性が高く、配当も多く、割安な銘柄がみつかる可能性はどれくらいあるでしょうか?
出てこないかもしれません。「再投資リスク」を考えずに売却してしまったことになります。
もし、同じ銘柄に再投資をする場合、最低でも払った税金分を控除した額まで株価が下がってきてくれないと (要するに、かなり株価が下がってきてくれないと)、保有を続けていた場合と比べて損となります。
ずっと持ち続けたい、本当にいい銘柄である場合、ちょっとやそっとの含み益では、利確をしてしまっては、長期投資としては覚束ないでしょう。
②また、同じ銘柄で、株価が10%下がっていた場合、あなたは売りますか?
その売る理由は?
「安く買って高く売る」をモットーにしている人ならば、ここで売ってしまっては、「高く買って安く売る」ことになり、投資としては真逆の行為となります。
それでもなお「安く売る」ことに出てしまう行為は、「ここから先、どれくらいさらに下落し続けるかわからない」ことによる、リスク管理の一環として、「撤退している」だけです。次の機会で儲けられることを信じて。
しかし、今回がそうであったように「チャート分析によりタイミングが必ず当たる」ことはありえません。
また、初心者では、「損切り」ばかりしてしまうような環境になってしまうと、何のための投資なのか、ということになってしまい、途方に暮れるような事態になるかもしれません。
それならば、敢えてこう言います。
ここで、売ってはいけません。
バリュー投資家にとっては、「ここから先、どれくらいさらに下落し続けるかわからない」のではなく、株価の適正価格としての”バリュー”があり、ここから先、さらに値下がりするリスクは相対的には減っています。
もし”バリュー”から下振れして乖離していれば乖離しているほど、もとの”バリュー”に戻ろう (収束しよう) とする力が働くことになります。
言い換えると、目安となる”バリュー”がはっきりしているならば、株価が値下がりするほど、さらに値下がりするリスクは減ります。”Margin of Safety (安全域)”が存在している可能性が大きくなり、今度は値上がりする確率のほうが高くなってきます。
このような場合、「損切り」ではなく、追加投資のチャンスなのです。
値下がりしたあとの投資分は、より有利なPERで買えて、その分がまた値上がりした時は「高く売」れるための布石にもなります。
「良いナンピン」なら、堂々としましょう。
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