[151] 2016年現在、イールドが空前に低い米国債の代替手段は [2016.7.10]
前記事で取り上げた林敬一氏は、著書でもブログでも、米国債投資がもっともストレスフリーであることを力説されています。
しかし、昨今、この米国債の利回りは新たに投資するには非常に低くなってしまっています。Brexitの影響もあり、空前の低さです。
どうしたものか。

世間一般的には、米国債よりも利回りの高い「利回り商品」としてさまざまなものが挙げられています。
(i) 先進国債、スーパーソブリン債の一部 (豪国債等)
(ii) 格付けの高い公社債
(iii) ジャンク債 (格付けが低い。ハイイールド債とも言う。)
(iv) 新興国債
(v) 先進国の普通株 (配当株)
(vi) 新興国等の普通株 (配当株)
(vii) 優先株
(viii) REIT (Real estate investment trust)
(ix) MLP (Master limited partnership)
など。これらの利回り商品は、米国債の低い金利を穴埋めするため、さまざまな投資家が債券の代替substituteとしてポートフォリオに組み込むことがあります。しかし、上記のすべてがもろ手を挙げて勧められるものではありません。
林氏は、上記の中で、米国債投資の代替手段substituteとして”まっとうな”推薦できるものとして、
①豪国債 (現時点ではやや推奨から外れています)
②米国REIT
③Birkshire Hathaway普通株 (BRK-A, BRK-B)
を挙げられています。
ただし、Birkshire Hathaway株 (BRK-A, BRK-B) は現在無配です。Warren Buffetウォーレン・バフェット率いるBirkshire Hathaway社は、現在は相対的に規模が大きくなりすぎており、昨今では、その株価の推移がS&P500と大差ないようなリターンになっていることを鑑みると、他の米国普通株、あるいは株式インデックスでもよいような気がします。
そういうわけで、私は、米国普通株がもっとも妥当な代替手段と考えています。米国普通株は、利回りは低かったとしても、下手な公社債、ジャンク債、新興国債投資に比べるならば、米国債との負の相関性も考えるともっとも妥当と考えます。さらに、この中の選択枝として、連続増配株等の優良バリュー株が一押しです。
長期投資家 (特にアメリカ人) では、配当株 (普通株) 投資に軸足を置いており、実践している人もたくさんいます。この人達 (私を含む) の見解には、以下のような特徴があります。
1) 連続増配株等の優良バリュー株を、フィクストインカムの代替とし、あるいはミックスしている
2) 低い債券のイールドの代替となり、Buffet的擬似債券投資として位置づけ、インフレ対策にもなる有利な投資と考えている
3) 比較的割安な時に仕込み、損切りせずにホールドし、長期保有する。
4) 株式市場の暴落を歓迎しており、追加投資の絶好の機会と捉えている。
5) 米国株に関して十年~数十年単位では強気であることでおおむね一致している
さらに、最新版のバートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」においても、債券ポートフォリオの一部を、ある種の配当株で代替することも提案している記述を発見しました。
その例として、AT&T株 (Ticker: T) を挙げていました。AT&T株は、近年増配率は2%程度ですが、立派な連続増配株で、その中でもDividend Aristocrats (配当貴族) の一員で、私も保有しています。通信株は、公益株と同様、株価が比較的安定的である傾向があります。
以上の考え方を取り入れるか否かは各個人によります。
バリュー株、連続増配株でなく、市場平均 (S&P500など) を取りにいっても、基本的に構わないと思います。ただし、持続的な増配steady dividend increaseは望めないかもしれません。
この意味では、SPYなどのS&P500に連動するETF、VTI (米国株のほぼ全体に投資すると考えても差し支えのないETFで、さらに経費率も非常に低い) などが有力視されます。
もっとも大切なことは、各個人、スタンスやアロケーションを確立するべきこと、と思います。
参考記事
★[106] アセットアロケーションの決定法 [2016.3.1]
★[131] 日本人は投資をすべき。だが、日本人が真剣に考えるべきアロケーションとは [2016.5.24]
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