配当再投資では「億り人」は目指さないことにしよう。インカム300万円を目指すのに必要な原資は
updated [2016.12.4]
前回の記事とまったく同様の理由で、「億り人」を目指すのは、しんどいことだと思っています。
★前回: [231]
それよりは、その中間目標として「インカム10万円」「インカム50万円」「インカム100万円」等を目指していき、最終的には「インカム300万円以上」を目標にするのがよいと思っています。
300万円くらいになれば、時価で必然的に「億り人」となれるかもしれません。
以下、1ドル100円の単純計算としてシミュレーションしてみました。
シミュレーション1) 配当2%、連続増配率5%の連続増配株投資で、最初に投資して30年間配当再投資のみで追加投資しない場合。
配当再投資していくと、年率2+5=7%で配当が増えていく計算となります。ということは、30年後の配当額は1.07^30 (1.07の30乗) = 7.61倍となります。
最初に39.5万円の配当が得られる分だけ拠出 (配当2%ということで、約2,000万円) し、その後30年間配当再投資していくと、配当額は39.5万円x7.61=300.5万円となる計算となります。
目標額が半額の150万円でよければ、リタイアの30年前に約1,000万円拠出して同様の運用を行えば達成できます。
シミュレーション2) 配当2%、連続増配率4%の連続増配株投資で、最初に投資して30年間配当再投資のみで追加投資しない場合。
この場合、年率2+4=6%で配当が増えていく計算となり、30年後に1.06^30= 5.74倍となります。
ということは、最初に52.3万円の分の配当が得られる分だけ投資 (配当2%ならば約2,615万円)し、その後配当再投資していくと、30年後に52.3万円x5.74=300.2万円のインカムとなる計算となります。
このリタイアの30年前に2,000万円~2,615万円はきついでしょうが、もし最初に用意できるのであれば、積立で投資していくよりはかなり有利な複利効果が得られます。
シミュレーション3) 連続増配株投資で、配当2%、連続増配率4%最初に投資し、40年間配当再投資のみで追加投資しない場合。
40年もかけてもよい場合、年率2+4=6%の増加率より、40年後に1.06^40= 10.28倍となります。ということは、最初に29.19万円の分の配当が得られる分だけ投資 (配当2%ならば約1,460万円) し、その後配当再投資していくと、40年後に29.19万円 x 10.28=300.0万円のインカムとなる計算となります。
シミュレーション4) 配当2%、連続増配率5%の連続増配株投資で、30年間等額積立と配当再投資する場合。
年率2+5=7%と30年の年金終価係数は94.46です。毎年Z万円積み立てた場合、その毎年の積立額からの配当がZx0.02万円であり、これを積み立てていって300万円とすると考えるのと等価です。
3.18万円x94.46=300.3万円となりますので、求める毎年の積立額は159万円 (毎月13.25万円) となります。
シミュレーション5) 配当2%、連続増配率5%の連続増配株投資で、最初に1000万円拠出し、その後30年間等額積立と組み合わせる場合。
最初の1000万円からのリターンは、30年後に配当20万円x1.07^30=152.2万円となります。
年率7%と30年の年金終価係数は94.46で、積立で、残りの300万-152.2万円=147.8万円目指します。
例4と同様、毎年積み立てる額を求めますと、求める毎年の積立額は78.5万円 (毎月6.54万円) となります。
最初に1,000万円拠出し、その後30年間毎年80万円弱 (毎月6.54万円) ずつ積み立てていくと、インカム300万円が達成できるという計算となりました。
シミュレーション6) 配当2%、連続増配率5%の連続増配株投資で、最初に500万円拠出し、その後30年間積立投資と組み合わせる場合。
最初の500万円からのリターンは、30年後に配当10万円x1.07^30=76.1万円となります。
年率7%と30年の年金終価係数は94.46で、積立で、残りの300万-76.1万円=223.9万円目指します。
例5と同様、毎年積み立てる額を求めますと、求める毎年の積立額は118.52万円 (毎月9.9万円) となります。
最初に500万円拠出し、その後30年間毎年120万円弱 (毎月10万円) ずつ積み立てていくと、30年でインカム300万円が達成できるという計算となりました。
数字が雑然としている記事となってしまいましたが、いかがでしょうか。
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[232] 配当再投資では「億り人」は目指さないことにしよう。インカム300万円を目指すのに必要な原資は [2016.10.24]
[239] インカム300万円のシミュレーション続き(債券ver.) [2016.10.26]
[274] 以前の記事 [232] に対する玄米さんの質問と、その回答 (再掲) [2016.12.4]
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=>1.02*1.05=1.071=>7.1%で配当が増えていく
ではないでしょうか。足し算では無くかけ算。直感的なので間違っていたらスミマセン(^^ゞ
>
> =>1.02*1.05=1.071=>7.1%で配当が増えていく
> ではないでしょうか。足し算では無くかけ算。直感的なので間違っていたらスミマセン(^^ゞ
玄米さん
良い質問、ありがとうございます。管理人の玄徳です。
直観的には、玄米さんの感じたように、
1 + 0.02 + 0.05 = 1.07 ではなくて
1.02 * 1.05 =1.071 と計算したくなりますよね。
ここが少し難しいので、説明は大胆に省略してしまっていました。
前年の配当額 A としますと、次年の配当額は5%の増配によって、A x 1.05 となります。
また、前年の配当額 A を次年に再投資しますと、それに対して2%の配当が出ます(税抜きとします)。
すると、再投資による新たな配当額は A x 0.02 となります。
すると、増配と再投資を両方合わせた効果として、前年の配当 A に対して、
次年の配当は A x 1.05 + A x 0.02 = A x 1.07となります。
これが、掛け算ではなくて足し算となる所以 (ゆえん) です。
この結果、もし、いつも増配率が5%と維持され、追加投資・再投資時の株価に対する配当率も2%と維持されるならば、永続的に配当は7%で増え続ける計算ですので、単純和である7%を複利計算のたたき台として利用する価値があるものと思います。そして、この二つの値を足した7%という数字が、まさにChowder ruleチャウダー・ルールに相当する値です。
もちろん、この増配率と配当率が維持されない可能性も考えて、十分に安全域 margin of safetyを設けた値を念頭に置く必要はあると思います。あまり高望みする値を設定しないようにすることが、ひとつのポイントだと感じています。
また、景気の循環によってもしも株価が下がれば、追加投資・再投資の配当率が上がりますし、全体的に米国の景気が上向いている時期は好決算等によって、増配率も高めに望めるのではないかと思います。
なお、米国優良株/Dividend aristocrats配当貴族銘柄は、連続増配率が、過去数十年にわたって7%、8%、10%などど平気で達成してきている銘柄がゴロゴロしていることも、驚きですよね。
以上の値をもとにした複利計算は、所詮皮算用なのですが、それでも計算する価値のある皮算用ではないかと愚考しています。ポイントは、コンサーバティブに、控えめな値を選ぶことにあります。
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