横山光昭氏の新刊「確定拠出年金で利回り20%」の本を5分で読みました
たまに本屋でよく見る、家計の見直し専門FP(笑)の横山光昭氏が、新刊を出されていました。
正確には、『誰も知らなかった!「確定拠出年金」で利回り20%投資法』です。
またもや、出版社の餌食タイトルですね。
「誰も知らなかった」「利回り20%」は、キャッチーあるいはセンセーショナルな書名にして気を引こうという作戦です。
もう出版されてしばらく経つ、竹川美奈子氏の確定拠出年金の本と、同じです。少し、現在の実情に合わせた内容になっているのみです。
20%というのは、竹川美奈子氏の15%とまったく同じく、個人個人で比率は違うので、きちんと計算せずに鵜呑みにするのは早計です。
ということで、タイトルからいうと、山崎元先生の『確定拠出年金の教科書』が、圧勝です。
そして、この20%という数字については注意が必要です。最初の拠出分(毎月の積立額)にかかる税金が、本来払うべき所得税や住民税分を払わなくて済むようになるという意味の「お得額」が20%なだけです。本当に拠出した額から投資内容として20%のリターンを得ているわけではないことに注意しましょう。金銭的には同じことですが、キャッシュバックのイメージです。
その効果を例に挙げましょう。もし毎年24万円(毎月2万円)を拠出するなら、もし20年間、所得税率の枠が変わらないとして、20%分なら、年間4万8000円分ですね。これを20年間分積み上げると、96万円分のお得になります。わお。
実際は、ここから、機構や証券会社への手数料が毎年数千円〜1万円強くらいがかかりますから、それを差し引いてお得額を計算し、パーセントを割り引いて下さい。
別の投資により、たとえば20年間でこの20%分を上回る投資法を達成しようと思うと、複利ベースで年率約0.9%も上回る投資をしなければなりません。これを確実に達成できるかは神のみぞ知りますから、やはりこの確定拠出年金をしないわけにはいかないでしょうね。
さらなる注意点があります。
不動産投資や、自宅不動産投資で税金の還付を狙っている人、ふるさと納税をする人は計算がずれてくることになります。
それから、確定拠出年金の枠内で定期預金や年金保険をやるのは馬鹿らしいのでやめましょう。
Let's build a reliable snowball! (頼れる雪だるまつくろう!)
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このエントリーにお寄せ頂いたコメント
AKIさんへ。玄徳です。良い質問ありがとうございます。単独で考えると、それでもやらないよりはやった方が良いのはおっしゃるとおりです。
個人型確定拠出年金枠内では、仕組み上、途中での売却益に課税されませんので、枠外よりも有利にリバランスができます。なので、「枠内で定期預金や年金保険をして、枠外で株式投資をする」のは一般的に馬鹿らしい行為となります。
同じ定期預金や年金保険をするなら、枠外で行い、確定拠出年金の枠内では期待リターンの高い株、REITなどをすべきだ、という意味です。
以上が基本ですが、私の考えとしては、確定拠出年金内でどうしてもキャッシュポジションを取りたいならば、その分だけ定期預金をするのはアリだと思います。また、定期預金は債券性の資産ですので、債券の替わりにすることを考えてもよいと思います。
別の案として、大きくプラスになったとき、プラスになった分だけを定期預金にしておくことは一案です。再投資先をどうするか、ということですが、現金化して定期預金にしておくべき時期は、基本的には「引き出す少し前あたり」が、いたずらに受け取りよりも早すぎる時期に定期預金化するよりはいいのではないかと思っています。
また、もしも確定拠出年金のみで自己投資を行うならば、海外資産分としてファンドを使い、国内・海外資産のバランスを取るために国内資産分として定期預金のみとするアロケーションの組み方も一案です。
ただし、確定拠出年金といえど、投資です。当座をしのぐための生活防衛資金として、まずはある程度、現預金・定期預金などを手当てしておくべきであることは前提条件と思います。もっとも、これが十分確保されているのならば、確定拠出年金内で定期預金をする必要性は低いと思いますが。
イメージとしては、いちばん期待リターンが高く見込める投資先を優先的に確定拠出年金とNISAにぶち込むべし、ということだと思います。
ご回答ありがとうございます。
定期預金でもやらないよりはやった方がいいけど、やるならリスク資産の方がいい、ということですね。
私もそう思っていますが、ほとんどの人は元本割れを極端に嫌うので、それなら定期預金でもいいんじゃないか、というのが私の考えです。
利益の非課税メリットがないとはいえ、やらないよりはやった方がいいでしょう、ということです。
おっしゃるとおり、確定拠出年金は60歳までは引き出せないので、生活防衛資金は別に用意をしておく必要がありますね。
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