山崎元氏の「リスク資産への投資額」を整理し、「リスク資産の取り崩し」というリスクを考察しました
updated [2017.2.21]
私が尊敬する人の1人が、経済評論家の山崎元氏です。最近も、ぶれることなく色んなところで単純明快な解説をされており、安定感を感じています。
山崎氏は、投資(特にリスク資産への投資)に対する許容度を、基本的に『額』で決定することを提唱されています。
額ということは、それは他の無リスク資産との比率ではないということです。絶対値ではかる、ということです。
もっと具体的には、損してもいい絶対額ではかるということです。
山崎元氏によると、リスク資産への投資額は「最悪の場合、1年後に3分の1損するかもしれないが、同じくらいの確率で最高4割くらい儲かって、平均は5%くらいの利回りのものにいくら投資するか」という質問にしたがって自問して決めろ、とのことです。
この損失額等では、『360万円』を1単位として評価する方法を勧められています。360は、65歳から95歳までのリタイア後の期間を想定した場合の「月数」とのことです。
360万円資産が増えると、老後に、毎月1万円の貯金の取り崩し可能額が増えるが、360万円減ると、毎月1万円の取り崩し可能額が減る、という考え方をするのだそうです。
具体的に読み替えますと:
引退時に投資で時価1,080万円 (360万円×3) を保有している場合、そこから1年で最大360万円損する可能性があり、この減少により資産評価額が720万円に下がってしまいます。もし1,080万円の時に売り払っていれば毎月の取り崩しが約3万円だったのが、毎月2万円に減りますよ、という示唆ですよね。
この360万円-1万円の法則は、「リスク資産の保有を続けた結果」、元本を取り崩さないといけない時に覚悟しないといけない増減と読み替えて良さそうです。
すなわち、老後、積み立てを終了した後の取り崩しフェーズでは、毎年の評価額の変化によって取り崩し額を変化させないといけません。この覚悟を決めよ!ということになってしまいますね。
この取り崩し額の調整は、口で言うよりも困難なのではないかと思います。個人的には、この元本を取り崩さずにインカムを得ることのできるように資産組み替えを図る方が、総合的には楽で、リスクも少なくなるのではないかと思います。
もし、1,080万円の時に全てリスク資産を売り払い、同額で税抜年率3%の米国債(無リスク資産)を買うとすると、毎年32.4万円(月に2.7万円)の金利がインカムとして手に入ります。すなわち、上記のような取り崩しをせずに、インカムを得続けることができます。加えて、無リスク資産であり、元本はいずれ償還されますので、元本の毀損を考える必要がありません。
まとめ
老後などの取り崩しフェーズでは、
(1) 資産形成フェーズと同様、リスク資産として保有しつつ取り崩していく
(2) 無リスク資産として組み替えてインカムを得続ける
この、(1) だけでなく、(2) の視点が如何に重要かということを考えて投資に臨みましょう!場合によっては、最初から無リスク資産のみで運用していく方がリスクリターン比で優れている可能性もあります。
私などが行っている配当成長投資は、基本的には (1) の一種と考えられ、そのうちの一部を配当として取り崩している特殊形にあたりますが、根底には、バフェットのような擬似債券の考え方が入っており、インカムに重点を置いている点、(2) に近い点がユニークです。
ただ、アメリカ人や日本人ブロガーではシーゲル流配当再投資/成長投資「インデックスに勝てる」と思っている人もいますが、そんな高望みはするべきではないと思います。
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