[94] 「安全資産の円が買われ円高になった」は本当か?[2016.2.17]
何らかの「●●ショック」が起こるたび、
株式市場の動揺と同様に、
急激な円高となることがあります。
そして、
「安全資産の円が買われた」
「リスク回避で円高になった」
ということが
しばしば言われます。
この構図は、
昔から、相変わらず続いており、
2016年に入ってからも観察されました。
サブプライムローンでの「パリバショック」しかり、
「リーマンショック」しかり、
「東日本大震災」での円高しかり、
「ギリシャショック」しかり、
そして、「チャイナショック」しかり。
ここで確認事項ですが、 為替環境は、
円と、世界の様々な通貨との
関係が複数からんでいます。
決して単一ではありませんよね。
ドル円は円高だが、ユール円は円安、だとか、
どの通貨に対しても「円全面高」とか。
「有事のドル買い」といって、
ドルが主役のこともあります。
「アベノミクス」では、
円安方向にずんずんと進んできましたよね。
日本のファンダメンタルズの変化?により、
円安へと舵を切ってきたのですが、
それであっても、
今年のように、
「●●ショックで円高」の構図が、未だに生きています。
これは、面白い現象ですよね~。
いずれにせよ、
短期的に円が買われていることに間違いありません。
株価の形成と同じで、たくさん買われるから円高になるのですよね。
①日本は、経常黒字国であるから。
②日本では、異常な低金利が続いているから。
日本は歴史的に経常黒字で、
これは、どんどん危なくなってきていましたが、
外貨をどんどん稼げている状況です。
これを円にしようとする円高圧力と、
国内の資金が海外へ向かう円安圧力。
この二つがある程度均衡していたものが、
バランスが一気に崩れてしまう。
円を売っている勢力が、
その時を見計らって
一気に円を買い戻す。
さらに、バランスの崩壊につけこんで、
ヘッジファンド等がさらに急激な売買をして
円高が増幅されてしまう。
また、日本が世界の中でも
特に低金利であったことから、
外国人投資家は、
「円キャリートレード」を行ってきました。
円キャリートレードとは、
低金利で円を借りて高金利の外貨を買って利益を得ることです。
「円を売って外貨を買っている」
このポジションを、
「リスクを回避」しようとして決済して円を返済するため、
外貨を売って円を買い戻そうとする。
これらの、「急」な圧力の変化が、
大きな為替の動きを作り出しているのでしょう。
株の「ベア」の動きが崖を駆け降りるように
急であるのと、
似たような状況です。
どうでしょう。
これらの理由等が考えられますが、
必ずしも「円が超安全」であるから
円が買われるわけではなさそうですよね。
安全性でいえば、米ドルの方が安全そうにも思えます。
しかし、米国は、
①長年、経常赤字国です。
②日本よりは、短期金利、長期金利は少し高いです。
この事実からは、
米ドルと、日本円の関係性だけで言えば、
●●ショックの時に
「ドルを売って円を買おう」とする動きが
出てきそうではありませんか。
もちろん、別の理由で、
逆の動き (急な円安) も起こりえます。
これ以上の理由もあろうかと思います。
何かありましたら、
管理人に教えていただけると幸いです。
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